9月5日金曜日朝、気温10℃と肌寒い中、レグ1の本格的なコンペティションがスタートした。サービスパークのあるジャーランデイル(パースの南方約70km)近辺では早朝にシャワーが降った様子。ただし、水溜りができるほどではなく、9時過ぎには上空はすっかり晴れ上がった。競技は8つのSSとスーパーSSひとつの合計143km余りで行われ、3日間で最も長い一日となった。
この日最初のSS2は、思わぬ展開となった。PCWRCランキング首位の新井は、18.48kmのステージでトップタイムのリガト(ランサー)から29秒遅れの7番手。
スタートから高回転域でエンジンに違和感があり、高速区間の多いこのステージでは、本領発揮がかなわなかったようだ。目下タイトル争いを繰り広げているロウにも20秒の差をつけられてしまう。しかし、ツイスティなSS3(20.12km)では、新井はリガトに続く2番手タイムを記録。次のSS4は5.19kmのショートステージにもかかわらず、全開を多用する高速コースであったため、新井は5番手タイムであった。サービスでエキゾーストパイプアッセンブリーとインタークーラーなど吸排気系パーツを交換し、エンジン周辺の点検を入念に行った。特に決め手となるトラブルは発見されず、続く3ステージの様子を見ることとなった。SS4終了時点で、新井のポジションはPCWRCの5位。2位のロウとの差は、15秒。
ツイスティなSS5は新井の得意なステージのひとつ。ここではロウとの差を2.5秒縮めることに成功したが、当ラリー最長となるSS6(34.99km)スターリングロングでは、ロウに28.5秒引き離され、合計タイム差は41秒に。新井の後ろに迫っていたカラムジット・シンにも先行を許してしまった。しかし、7.0kmのSS7では、新井はシンに続く2番手タイムでロウとの差を37秒に縮めるなど、まさに一進一退を続けている。サービスに戻った新井は、「状況は余り変わっていないですね。4速、5速が使いづらいので、走り方も変えて走っています。じっと我慢の走りですね。最後のサービスで変えられるものはみんな交換してもらうつもりです。」と語った。
PCWRCトップを独走していたリガトも、SS5以降は失速気味。少しずつタイムを落としている。しかし、2位のマーチン・ロウの走りには変化はなく、淡々とマイレージを重ねている。サービスでは、「特に特別なことは何もないよ。ただ自分のペースを守って走っているだけ。まだ初日だし、先はまだまだ長いからね」とニコリと笑顔で答えていた。
夕暮れ迫る午後5時過ぎのスタートとなったSS8は今朝ひとつ目に走ったSS2の再走ステージ。新井は午前の自己タイムを25秒以上縮めたが、PCWRCの5番手タイムでロウに対し9秒遅れ。順位は変わらず5位だが、ロウとの差は広がった。そして、ニール・マクシアがこの日初のSSベストを記録。徐々に2位のロウに迫っている。そして、続くSS9(SS3の再走)は、新井が面目躍如を果たした。初のSSベストタイムを記録し、ロウとのタイム差を2.5秒短縮した。多くの車両がランプポッドを装着してこのふたつのSSを走ったのに対し、新井はヘッドライトも点灯せずにステージアタックに臨んだ。
新井は、「(キプロスからの)インターバルが長かったこともあって、今日は僕自身の調子も今ひとつだったかもしれません。確かに低回転でのターボの効きが少し悪かったのですが、最後のふたつはだいぶ良くなってきました。そんなことがあって、ペースノートとドライビングのタイミングがアンマッチだったんでしょうね。明日は全開で攻めて行きたいです。」とTVのインタビューにこたえていた。この日最後のロングサービスで、ブレーキ、足回り交換などルーティンワークに加え、タービン交換を実施し、調子回復に期待する。
パース市内に会場を移して行われたこの日最後となったSS10、スーパースペシャルステージは、トップのスティグ・ブロンキストから、2位マクシアに続いて1.5秒差で新井が3位。ロウは新井に1.1秒遅れの5位であったが、レグ1総合ではロウがトップ、新井は5位であった。2日目はさらに、ホットなバトルになると予想されている。