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12月のシリーズエントリー締め切り以来、話題を振りまいていた2004年世界プロダクションカー世界ラリー選手権が、雪に覆われたスウェディッシュ・ラリーでいよいよ開幕を迎えた。
マイナス30度も珍しくないスウェディッシュ・ラリーとはいえ、19ステージすべてが完全に雪の路面というわけではない。ここ数年の同イベントは天候が穏やかで、踏み固められた雪、氷、凍ったグラベルのミックス路面になることも多かった。そのため今年のスウェディッシュ・ラリーは、より雪の多い北へ移動して開催される。
今年は、自らのチームで参戦する新井敏弘選手は、チーム名も「SUBARU TEAM ARAI」でエントリーし、昨年叶わなかったプロダクションカーでの世界チャンピオンに挑む。
2004年度のPCWRCには20名のドライバーがエントリーし、7戦のうちの事前に申請された6戦を戦う。ここスウェーデンには、N.マクシア(GB)と奴田原 文雄(J)以外の18名のドライバーが顔を揃えた。その顔ぶれは、それぞれが各国の国内選手権チャンピオンやWRC経験者であり、いずれも百戦錬磨のつわものばかり。3年目を迎えた今年のPCWRCは、名実共にワールドレベルの戦いになると予想されている。
2月5日の早朝8時からカールスタッド市内で車検が行われ、午後はカールスタッドから北に100kmほどのステージでシェイクダウン。午後には再びカールスタッドに戻り、ドライバーたちはプレス・コンファレンスへの出席、ドライバーズ・ブリーフィングに参加するなど慌しいスケジュールをこなした。 WRCのプロモーションを担当する団体であるISCが開催したシーズン・プレゼンテーションにはシリーズエントリーしているドライバー中18名が集合。初代チャンピオンのカラムジット・シン(マレーシア、プロトン)をはじめ、昨年2位の新井敏弘(SUBARU)、マクレー一家の末弟アリスター・マクレー(SUBARU)、WRCにもエントリーするガリ(イタリア、ミツビシ)、パーソネン(フィンランド、ミツビシ)などの有力ドライバーが紹介された。また、今回は出場しないものの、次戦メキシコから降るエントリーする全日本チャンピオンの奴田原文雄(ミツビシ)も出席。新井と並んで、各国のメディアからフラッシュの砲列を浴びていた。そして、大勢の観客が見守る中、市内のセレモニアル・スタート特設会場に設けられたスターティングランプから次々とスタートしていった。
グループNプロジェクトを立ち上げ、世界のグループNマーケットへの本格的進出を宣言したSUBARUは、この日独自にプレス・コンファレンスを実施。プロジェクトの責任者、STI取締役商品企画部長伊藤健が席上、プロジェクトの概要を説明、新たに同プロジェクトのジェネラル・マネージャーに就任したジョージ・ドナルドソンがその詳細をプレゼンテーションした。また、一年間SUBARUインプレッサを武器としてPCWRCを戦うドライバーたちも、出席。報道陣に向かって、おのおのシーズンの展望や抱負を語った。ドナルドソンは、SUBARUラインアップの中から、昨年の中東ラリー選手権でチャンピオンを獲得したナッサー・サレ・アル・アティヤー(カタール)をシーズンのダークホースに指名。クレー射撃選手権でも世界ランキング・トップクラスの実力をもつアル・アティヤーは、「こんなに豪華なワールドラリー常連ドライバーの中、良いクルマでチャンピオンシップに参加できて嬉しい。第2戦のメキシコは、ほとんど誰もが初体験だし、僕の地元の中東のラリーに似ているので、メキシコで是非本領発揮したいね」と語っていた。アル・アティヤーは、1月のダカールラリーでも総合10位に入った実力派である。ミツビシ勢を含めて今年のPCWRCは、誰が勝っても不思議のない強豪ぞろい。SUBARUのスター・ラインアップに注目が注がれている。
SUBARUのコンファレンスで次に注目を集めたのはトミ・マキネンだった。先だってSUBARUグループN車両の開発・販売を手がける新事業の開始を宣言していたからだ。マキネンは、「ビジネスはまだスタートしたばかりだか、やりたいことがたくさんあり、忙しくしているよ。ワークショップだけでなく、新人育成やトレーニングのためのスクールやダートトラックの建設も計画しており、まだまだラリーに関係できることが何よりだね。SUBARUともパートナーシップが続けられて、僕はハッピー。まだまだペター(ソルベルグ)やミッコ(ヒルボネン)にアドバイスすることもたくさんあるしね」
いまも輝きを失わない4度のワールドラリーチャンピオンは、後進育成への意欲を活き活きと語っていた。
本年のスウェディッシュラリーは、暖かい冬のため雪が少なく、コースコンディション変化が激しいと見られている。雪が溶け出すと路面はとたんにルーズとなり、夜中に気温が下がって朝にはテカテカのアイスリンク状態になるコースもあるという。タイヤ選択をめぐり、選択肢への予測と運が勝敗を大きく分けるかもしれない。PCWRC開幕戦最初のコンペティションは、6日午前に火蓋が切られる。
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