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FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)は、5月13-15日、地中海の島で行われる難関ラリー、第3戦「キプロス・ラリー」(FIA世界ラリー選手権第6戦)を迎える。今年最もタフなラリーの一つとしても注目されるこのラリーは、SUBARUインプレッサWRX
STIのポテンシャルが試される、真のチャレンジとなる。
岩が散乱するツイスティなコースコンディションのため、このイベントは、今シーズンでも最もアベレージ速度が低いラリーと見られている。PCWRCイベントとして最後に行われた2003年からは若干の変更が施されたコースはあるものの、ほとんどのステージは2年前に参戦したドライバーにとっては慣れ親しんだSSだ。
しかし、いかに経験があろうと、このキプロスで誰が勝つかを予想するのは困難を極める。特色あるこのイベントは、毎年、思いがけないドライバーがペースセッターに立つのである。それを表すように、ここ何年も同じドライバーが2度勝つことがないWRCイベントとして知られている。PCWRCに参戦するSUBARU勢も、勝利を獲得するまでに厳しい戦いの中を走り抜けることになるだろう。特にこのキプロス・ラリーは、リタイア率が高いことでも知られている。争いに夢中になりすぎて周りを見失えば、本拠地リマソルの背後にそびえるトルードス山脈を駆け抜けるナローで厳しいコースは、たちまちマシンにダメージを与える。
日中は30度まで上がるとも予想される暑さも厳しさの要因の一つ。まだ夏の真っ盛りではないことがせめてもの救いだが、ステージの平均速度が低いために、ベンチレーションシステムからの吸気が減ることから、マシン内部の気温は45〜50度と極めて高くなると予想されている。ドライバーは体力と水分補給がパフォーマンスに大きな影響を与える要素となるであろう。
ステージコンディションは極めてラフで、大きな水溜りが多いほか、マシンをリタイアへと陥れる石も多数。そのいずれもが、コース脇に待ち構えている。精密なドライビングとドライバーの完璧な集中力が、ここでは不可欠となるが、PCWRCの前戦・ニュージーランドと比べると、比較にならないほど厳しいコンディションでもある。このイベントでは、サスペンションにもパンクを避けるためのセッティングが必要になってくる。特にこのキプロスのような過酷なコンディションでは、サスペンションが固すぎれば、それがパンクを誘引し、致命傷にさえもなり得るのだ。
総合的に見れば、このラリーでは、マシンのタフネスとバランスに加え、正確なドライビングとドライバーのスタミナがステージ攻略の秘訣と言えよう。
STI プレイベントテスト
5月9日・月曜日、この時期のキプロス島らしい晴れ渡る空の下、ラリー期間中にも予測されるまさに同様のコンディションという最高の条件の中で、PCWRC・SUBARU勢がテストを行った。とはいえ、今年は昨年よりも開催時期が遅くなっているため、ここ数年の同イベントとはまた違った展開も予想されている。
PCWRC・SUBARU勢がテストコースに選んだのは、ここ数年、ラリーのシェイクダウンに使われてきたコース。6.5kmのループステージには、キプロス・ラリーで予測されるあらゆる特色が盛り込まれている。しかし、タイヤを積んだイタリアからのコンテナの到着が遅れたため、バラッテロチームはタイヤ不足からテスト参加を断念。また、ハメッド・アル・ワハイビは、チームが直前に別コースを確保し、独自でテストを行った。このため、テストは予定していた6クルーから、2クルーの参加となった。
参加したのは、新井敏弘とナッサー・サレ・アルアティヤー。最高の環境の中で存分にテストを行った両クルーは、テストの結果にも満足。中東ラリー選手権(MERC)ラウンドのヨルダン・ラリーで勝利を獲得したばかりのアルアティヤーは、強行スケジュールの中、多少の疲労も見られた。
この日のテストを通じ、両ドライバーは、キプロスの過酷なコースに向けて、サスペンションのチューンと調整を行い、満足の行く結果が得られたようだ。
ドライバーコメント
新井敏弘 - Car No.31 SUBARU Team Arai
「今日は、慎重に様々な点でのテストを行った。特に、サスペンションのセッティングには重点を置き、パフォーマンスと衝撃の吸収率とのバランスでベストポイントを得られる調整を目指した。バンプと岩盤の衝撃を減少させることができたので、マシン自体も特に目立ったダメージも受けないようになった。このイベントは、冬の間のコンディションによっては、昔のサファリ・ラリーのようにもなってしまうほどラフなイベント。レッキの2日間で、コンディションがどうなっているか、しっかり把握していく」
ナッサー・サレ・アルアティヤー
- Car No.44 Autotech
「トシと僕は、今日1日、いいテストを行うことができたと思う。素晴らしいコースで走ることができたし、セッティングもバッチリ決まったと思っている。このエリアのステージは、MERCの1戦であるトルードス・ラリーで走ったことがあるが、ここの路面とは相性がいいんだ」
ハメッド・アル・ワハイビ - Car No.49 SYMS
「チームとして、今回は2004年型のマシンを使った方がいいだろうと決めた。今回は、日本のテイン製サスペンションを初めてキプロスで使うので、テストでは基本的なことを行った。我々にとっては、初めての本格的なラフイベントとなるが、順調に進んでいるようなので、ここでPCWRCポイントを多く獲得していきたいね」
STI グループN プロジェクトマネージャー、ジョージ・ドナルドソン
「このテストコースは、何年もシェイクダウンに使われてきたステージ。6.5kmという距離は、通常我々が行っているテストコースに比べれば少々長いが、イベントに表れる様々な特色が盛り込まれている。また、このステージはループになっているので、マシンが往復して戻ってくるのを待つ必要がなく、限られた時間を有効に使うことができる。もちろん、ややラフすぎる部分もあるのだが、実際のイベントで再走ステージがどのようなコンディションになるのかは、当日になるまで予測はできない。全体的には、今日のテスト結果には満足している。バラッテロチームの3人のドライバーに関してはマシンのセットアップが少し心配だが、できる限り最高のセッティングを得られるよう、アシストしていく。木曜日に行われるイベントのシェイクダウンの間に、確認していくつもりだ」
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