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新井敏弘 ラリーレポート
プロダクションカー世界ラリー選手権 キプロスラリー
 
 
プロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)第3戦
新井敏弘選手、最初のステージでパンク&サスペンショントラブルにより離脱
スーパーラリーの適用で、10位で終える
 
Leg1 Report 13.May.2005    

FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)第3戦キプロス・ラリーは、5月13日・金曜日に行われたレグ1で、序盤からWRC随一のタフイベントというその名にたがわぬ混乱を迎えた。この日、PCWRC・SUBARU勢の半分以上がラフコンディションの犠牲となってしまった。そのほとんどがスーパーラリーを適用し、明日の再スタートを目指すこととなる。

このラフなコンディションの中、アタックをかけすぎるとそれがたちまちダメージにつながってしまう。まさに4年前までWRC一のラフイベントの名を誇っていた、サファリ・ラリー並みの悪コンディションとなった。

このキプロスのステージ、最初の餌食となった一人が新井敏弘。SS1のフィニッシュ手前7kmで見舞われたパンクが、新井のトラブルの始まりだった。このままステージを走り切れると判断した新井は、リスクを負いながらもパンクしたままで走行。しかしフィニッシュ手前わずか1kmのところでサスペンションのダメージに発展してしまい、レグ1の走行から離脱となった。しかし、スーパーラリーシステムの適用で、未走行ステージに5分のペナルティが加算されながらリザルトは継続、トラブル続出の初日が終わった時点でPCWRC首位に20分遅れの11位に留まった。大波乱で何が起こるか分からない明日以降、ポイント圏内までの浮上を目指す。

ブライス・ティラバッシは、SS4で、ステアリング・ラックの故障でリタイアしたマーク・ヒギンズの停車を受けて、スローダウンの指示を受けた。しかしそのティラバッシも、このステージでフロントのサスペンションマウントが破損。残るSS5、SS6を慎重に走り切ったティラバッシは、それ以上ダメージを悪化させることなくこの日を走り切り、11.7秒のマージンを築いてPCWRC首位に立っている。

この日午前、順調な走行を見せていたアルゼンチンのマルコス・リガトだったが、午後になってステアリング・アーム破損に見舞われた。また、ティラバッシに発生したサスペンションマウントの破損がリガトにも発生。これがシャシーにまでダメージを与えた。しかし、各SSで数分ずつタイムロスをしながらも、この日最後のステージまで完走。レグ1終了時点で、PCWRC首位に5分の遅れの5位と、総合的には好位置をキープした。この日最後のサービスでマシンを完全修復し、明日の挽回が期待される。

セバスチャン・ベルトランは、バラッテロの3クルーの中では速さは抑えた走行となったが、賢明なドライビングが功を奏した。スタート前に決定した戦略が吉と出て、PCWRC3位という絶好位置でこの日を終了した。

オマーンのハメッド・アルワハイビも、午前に見舞われたサスペンションのトップマウントが破損するアクシデントが午後にも発生。苦しい一日を過ごした。

ナッサー・サレ・アルアティヤーは、午前中、首位争いも展開する順調な走りを見せていたが、SS4でフロントサスペンションのパーツが破損するという、新井と全く同じアクシデントに見舞われた。原因は石がナットにヒットして、ロワーサスペンションにダメージを与えたと思われる。このダメージで、レグ1離脱を余儀なくされたアルアティヤーは、それでもレグ1終了時点でPCWRC・6位を維持してこの日を終えた。

ファビオ・フリジエロも新井同様、序盤にレグ1から離脱し、ペナルティを加算されながらこの日終了時点でPCWRC・14位。2004年型のマシンで参戦しているイタリアのフリジエロも、明日の再スタートを目指す。

午前中、マーク・ヒギンズとともにグループNのトップタイムをマークしていたガブリエル・ポッゾだったが、不運にもSS4で強打によりステアリング・アームを破損。しかし、その後慎重に走り抜き、この日をPCWRC・7位で終えた。

午前中、PCWRC首位に立っていたトップランのマーク・ヒギンズだったが、午後になって不運に見舞われた。SS4で煙が発生した後に停車。直後に車内から発火し、この時点でリタイアとなった。

このラフなコンディションの中、いかにマシンをいたわりながらアタックできるかという点で明暗が分かれた初日。残る2日間も、過酷な状況の中、マシンコンディションを維持させながら走り抜くことが、最終日にポディウムを獲得するカギとなりそうだ。

STI グループN プロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン

「信じられないような一日となり、かなり驚いている。どのドライバーも慎重に走らなくてはならないことをよく理解しており、それぞれペースを見ながら走行をしていたが、実際のコンディションは予想以上にラフで、ダメージを避けきれないほどにマシンを痛めつけた。

この日が終わった段階ですでにレグ離脱が続出しているが、それでもSUBARU勢はPCWRCのトップ6に5台が食い込んでおり、マシンの強さを証明する結果となった。チャンピオンシップの上位2人、トシとポンスは、両者とも苦い一日となった。この段階で、シリーズ争いはまだ絞りきられていない状態。元スーパー1600チャンピオンのブライス・ティラバッシが今日首位に立ったことで、その能力が発揮されたことが証明されている。どのドライバーも、トラブルを克服しなくてはならないのは同じこと。おそらくもっとも走行が有利となる2人は、それぞれ2位、3位につけているビラグラとベルトランになると思うが、その2人も数秒しか離れていない。

明日は、また厳しい一日となり、最終日には再びこのラフなステージを走行することになる。まだ何が起こるか分からないし、おそらく何かが起こるだろう」

明日のレグ2も岩の多いステージへの挑戦。そして最終日は再び、多数の犠牲者を生み出したこのエリアに臨むことになる。最終日までに、さらに脱落者が出ることも予想される。そしてWRC一のタフイベント、このサバイバル戦に生き残った者同士の首位争いは、さらに壮絶な展開となるだろう。

順位
No.
ドライバー
タイム
1位 51 B.ティラバッシ
2:16:19.1
2位 42 F.ヴィラグラ
+11.7
3位 44 S.ベルトラン
+47.4
4位 36 M.リガト
+5:25.6
5位 49 H.アルワハイビ
+11:32.6
6位 33 N.S.アル・アティアー
+12:08.7
7位 40 G.ポッゾ
+13:42.1
8位 32 X.ポンス
+14:31.7
11位 31 新井敏弘
+21:19.8
 
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