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新井敏弘 ラリーレポート
PCWRC R.5 Rally Argentina
 
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プロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)第5戦
ラリー・アルゼンチンのレグ1で、アルアティヤーがPCWRCトップに!
 
Leg1 Report 14.15.July.2005    

FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)第5戦(世界ラリー選手権=WRC第9戦)「ラリー・アルゼンチン」は、7月14-15日、レグ1が開催され、ナッサー・サレ・アルアティヤーが、PCWRC2位以下に2分17.2秒の大差を築いてのPCWRC首位に立った。英国のマーク・ヒギンズも、この日のほぼ全般においてPCWRCリードを維持してきたが、PCWRC3位でレグ1を終了している。

グループNクラスにも多くの参戦が集まった今回のイベントだったが、初日から大波乱の幕開けだった。コンペティターの多くがタフなコンディションの犠牲となり、ラフで石が散乱するステージでのパンクが続出した。14-15日の間、夜半に雨が降り続き、コンディションは、曇り空の下、湿った路面となった。気温は、朝方は2度前後から徐々に上がり、コースも午後になると乾き始めた。

7月14日夜に本拠地カルロス・パスで2本のスーパーSSが行われた後、本格的に競技がスタートした15日午前最初のSSは、カルロス・パスでの14.51kmステージ。ここでマーク・ヒギンズが、PCWRC3位から一気に首位に浮上。ヒギンズは、SS8でパンクのために後退するまで、このポジションを堅守した。

このコンディション下、ナッサー・サレ・アルアティヤーのタイヤ戦略はパーフェクトだった。最大の懸念であったパンクを避け、カタール出身のアルアティヤーは、全日を通してペースを最大限にまで上げることに成功。SS8でのヒギンズのアクシデントで、代わってPCWRCトップに浮上した。目立ったトラブルもなく過ごしたアルアティヤーは、ペースを調整しながらも、トップ勢との距離を維持。すべてのリスクを避けた上でのギリギリのアタックに成功し、好リザルトに結びついた。

アルアティヤーは「今日の展開には、本当にハッピー。序盤のステージでは、ハンドブレーキが使えないと言うマイナートラブルはあったが、サービスで修復。その後は、トラブルなしだった。レグ1の終わりでリードに立てたなんて、最高の気分だよ」

滑り出しは上々だったヒギンズは、ハードにプッシュをし過ぎないことを目指していたが、避けたいと思っていたシチュエーションが不運にも降りかかってしまった。PCWRC3位につけるヒギンズが目指すのは、このグラベルステージで好タイムを見せているメデギーニを捕らえること。
「序盤のステージでは、本当に順調だった。SS8でパンクし2分半をロスするまでは、すべてが計画通りに運んでいた。明日は、もちろん、この午後で失った分を取り戻していくことを目指すよ」

この段階で、PCWRC勝利の獲得はヒギンズにとってやや厳しくはなったが、チャンピオンシップ争いに食い込んでいくためにも、できるだけ多くのポイント獲得を目指して、挽回を図る。

ガブリエル・ポッゾは、序盤はやや手堅いペース運びで走行し、午後には調子を上げていく計画で、それに合わせてリザルトが上がることを期待していたが、それが難航した。このラリーの最長ステージでもある午前中のラスト2本目のステージ、SS5で、プロペラシャフトが破損。原因は不明だが、この結果、レグ2はスーパーラリーでの再スタートを目指すこととなってしまった。
「ここ数戦は、オーバードライビングだったと少し反省をしていたので、ここでの目標は少し抑えて、パンクやコースオフをしないように気を付けることだった。プロペラシャフトのトラブルで、明日、スーパーラリーでの再スタートとなってしまったことは、本当にアンラッキー」

セバスチャン・ベルトランは、序盤からハイペースで展開。しかし、ポッゾと同じ、SS5でアクシデントに見舞われた。左コーナーで膨らみすぎたベルトランは、右リアのタイヤを滑らせ、コースオフ。そのままレグ1撤退となってしまった。

ブライス・ティラバッシも、初日の午前中は全力を出し切ることが出来ず、苦難の走行となった。午後には、わずかなオイル漏れから出火を引き起こし、チームは安全面の理由からレグ1からの撤退を決めた。チームの決定次第で、明日、スーパーラリーで再出走する。
「マシンでベストな性能を得るために懸命な作業を続けてきたが、効果が出なかった。トップランは素晴らしいマシンを用意してくれているのに、かなり悔しい。もっと速さを出したいね」

今回のラリー・アルゼンチンは、全体のルート設定がコンパクトになっているため、ステージ周辺はひどい交通渋滞に見舞われた。アルゼンチンは、熱心なラリーファンが多いことでも知られており、丘陵地帯を高速で駆け抜けるラリーマシンを見ようと、150万人が観戦のために周辺エリアに押し寄せると予測されている。

イタリアのファビオ・フリジエロは、序盤、ややスローな滑り出しだったが、午後のステージで巻き返しPCWRC6位に浮上。しかし、この日最後のステージで、石がラジエターにヒットし、全てのラジエター液が、アルゼンチンでのポイント獲得という目標と共に流れ出すという不運に見舞われ、レグ1から撤退となった。
「今回はHANS(頭部&頸部のサポートシステム)を装着しているが、安全面では非常に効果的ではあるのだろうけど、代わりに背中がとても痛い。これで今日はペースが落ちてしまった」

その他、PCWRC外でのSUBARUグループN勢では、フィンランドのヤリ・マティ・ラトバラが、グループNの総合首位だけを目指していたが、ラリー最長ステージの2回目の走行、SS8のラフセクションでフロントサスペンションを破損。これで11分のタイムロスとなり、後退となってしまった。

通常は三菱でPCWRCに参戦する英国の女性ドライバー、ナタリー・バラットは、今回PCWRC外でバラッテロのプリペアによるSUBARUインプレッサWRX STIをドライブ。日中のサービス時には、午前のステージやマシンも満喫していると報告。しかし、このサービス前には、フロントサスペンションをわずかに曲げるというアクシデントも。このトラブルは、サービスで修復を受け、午後のステージではペースを上げ、パフォーマンスを披露した。

STI グループN プロジェクトマネージャー、ジョージ・ドナルドソン
「この日のナッサーの走りはとても見事で、PCWRCで大きなマージンを築いての首位に立って初日を終えた。あとは、残りの2日間でこのポジションをキープすることだけだ。

また、マークも後退してしまったが、巻き返してPCWRC2位を目指してもらいたい。ドライバーにとっては、これがアルゼンチン特有のコンディションではあるものの、予想よりもタフとなっている。明日は、ステージの速度域も上がるのでレグ1ほどタフではないが、何年もアクシデントが多く発生してきたエリアでもある。

今回はPCWRCに参戦している9台のうち4台だけがステージリタイヤなしで生き残っているが、こうしたPCWRCのトップ勢が、プライベートのWRカーと競り合いを見せている。SUBARUのグループN勢も、トップリザルトを目指すために、こうしたドライバー勢にプレッシャーをかけるほどのペースを見せている。こうしたドライバーやチームは、私がこれまで一緒に仕事をしてきたドライバーたちと同じくらい、非常にモチベーションが高い」

明日のステージは、レグ1とかなり性格が変わり、路面は砂利のようで非常にルーズになることも多く、山岳路は度々ナローでツイスティになりながらも、高速区間も多く、ここでは、ペースが恐ろしいほどに上がっていくこともある。ウォータースプラッシュやジャンプも、ラリー・アルゼンチンの名物。レグ2の計114km・7本のSSには、とにかくすべての要素が盛り込まれている。

天気はドライが続くと予報されているが、このエリアはかなり変わりやすくもあるため、夜が明けてみるまでは確実なことは誰にも分からない。

(暫定結果)
 
リタイア Retirement
NO
DRIVER
GROUP
 CLASS
CONTROL
RETIREMENT REASON
         
 
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