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2005 FIA世界ラリー選手権(=PCWRC)最終戦、「ラリー・オーストラリア」(世界ラリー選手権=WRC最終戦)は、11月11日、レグ1が行われた。前日木曜日に本拠地パース近郊の特設ステージで行われた2本のスーパーSSに続き、この日は、計9本のステージが設定。午前中に5本、日中のサービスを挟み、さらに2本の林道ステージの後に、再びパースでのスーパーSS2本が夜に行われた。
木曜日のスーパーSSは、2台併走のデュアルトライアルで観客を沸かせた。2本のスーパーSSを終えた時点でPCWRCのトップに立ったのは、新井敏弘と、同タイムをマークした三菱の奴田原文雄。その後にマーク・ヒギンズ、ナッサー・サレ・アルアティヤー、マルコス・リガト、ガブリエル・ポッゾ、セバスチャン・ベルトランが続き、PCWRCトップ7に6台のSUBARU勢が食い込んだ。また、オーストラリアチャンピオンのコディ・クロッカーとチームメイトのディーン・ヘリッジは、グループN総合での1-2を独占した。
明けて金曜日、本格的な競技スタートとなったこの日、プラン通りの展開に成功したのは念願のタイトル獲得を狙う新井敏弘。この日すべてのSSをセカンドベストタイムでまとめ、レグ1で計4本行われたスーパーSSのうち3本でステージウィンを獲得した。タイトルに最も近い存在である立場を見据えてのオープニングレグでの戦略を完遂した新井は、残り2日間で、PCWRC首位争いをも視野に入れていく。
しかし、SUBARU勢の中には、不運にもトラブルに見舞われるクルーも。この日最初のステージでは、新井のタイトル争いのライバルとなるマルコス・リガトがコースオフ。さらに、リガトの次にステージを走行していたバラッテロのチームメイト、セバスチャン・ベルトランが、皮肉にも同じコーナーで転倒の憂き目にあった。このアクシデントで、バラッテロのもう一人のチームメイト、ガブリエル・ポッゾがPCWRC4位に浮上した。
数々のアクシデントが発生する中、一方の新井はトラブルなしでペースを維持。PCWRC首位に立ったマーク・ヒギンズに7.7秒と、守備範囲の差を維持してレグ1を終えた。
この日PCWRCの首位に立ったマーク・ヒギンズは、ラリー・アルゼンチン以来のPCWRC参戦。今シーズンはここまでトラブルや不運なアクシデントが続いていたヒギンズは、この日もまったくトラブルがないというわけではなく、SS5では轍から放り出されてあわや木にヒットというハプニングもあったが、ホイールをなくさずに済んだのは不幸中の幸い。このラリーではマシンも好調で、今年、WRカーで英国タイトルを獲得した本来の速さが発揮された。
WRCシーンでも活躍が目覚ましいガブリエル・ポッゾも、この日は本来のペースを存分に発揮した。PCWRC3位につけ、ステージでも好タイムを連発。SS6ではPCWRCステージベストもマークした。午後のセクションでも、新井のペースを意識しながら、後ろに続くテイスコネンとの差も維持。この日の後半にはギアボックスのトラブルが伝えられたが、夜のサービスで修復に挑む。
PCWRCタイトル獲得の可能性を残しているナッサー・サレ・アルアティヤーは、この日を通して非常に堅実な走りを見せた。PCWRC参戦2年目の今シーズン、顕著な成長を見せているアルアティヤーは、その経験の少なさを思わせないような安定した速さを見せ、PCWRC6位でこの日を終えた。
今回再び兄のミッカ(子供の誕生のため、ラリー・ジャパンは不参加)をコ・ドライバーに迎えたアキ・テイスコネンは、この日午前中のセクションで行われた5本の林道SSを慎重にまとめ、午後にペースアップ。三菱の奴田原文雄をかわし、PCWRC5位でレグ1をフィニッシュした。
この日不運なスタートとなったのは、ナタリー・バラット。この日最初のステージ、4kmの地点でラインを外し、巨大な石にフロントサスペンションをヒット。サービスまで5本のSSが残っていたため続行不可能と判断したバラットは、ここでレグ1撤退となった。バラットは、今後の経験のためにレグ2での再スタートを目指す。
新井敏弘
「ハードなプッシュは抑えつつも、PCWRC首位のヒギンズとの差を見ながらポジション維持に努めた。最大の目標はチャンピオンシップなので、明日のLEG2がヤマ場になるがリスクは負わず安定したペースで走っていく。もちろん最終日までにはヒギンズをかわすつもりだ」
ナッサー・サレ・アルアティヤー
「SS3でリガトが止まっているのを見て、慎重にならざるをえなかった。この路面での経験もまだ少ないので、今はとにかくリスクを冒せない状態。ドライバーズ選手権で確実に2位を獲得するために、まずは堅実に走っていく」
STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン
「トシは、しっかりとチャンピオンシップのポジションを意識している。この日の目標は、タイトル獲得に向けて確実なペースを確保することだった。序盤は様子を見るために慎重な滑り出しだったが、タイトルを争うマルコス・リガトのアクシデントは、トシのこの後の戦略にも少なからず影響を与えただろう。トシはとにかく、無理のないペースを維持することに努めているが、しかし速さも忘れていない。何が起こるか分からないという状況をしっかり視野に入れた上で、出来る限りハードにプッシュしている」
レグ2のステージは、パースの東部にあるバニスター周辺に設定される。ソフトな路面で轍が掘れやすいことで有名なコースのため、走行順による影響が大きい。このセクションには、ラリー・オーストラリア名物とも言えるバニングス・ジャンプとウォータースプラッシュが設定されており、スペクテイターにも人気のスポット。その後、レグ1にも走行したフリンズ、ベラキンの林道ステージでの再走を経て、夜には再びパースでのスーパーSSを走行。レグ2は、計122.34km,9SSで構成される。
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