2006FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)開幕戦「ラリー・モンテカルロ」は1月20日、レグ1が行われたが、PCWRC勢にとっては混乱の幕開けとなった。午前中に設定されたステージでは、PCWRC勢には勝負に挑むチャンスが一切与えられなかったのだ。この日最初の2本のステージでは深刻な交通状態によりスタートにたどりつけず、先頭11台以外のコンペティターには概算タイムが与えられることとなり、午前中残りの1本となるSS3は全車キャンセルとなった。
この日設定されたステージは3本のステージの再走ループ。従って、PCWRC勢のクルーは、日中のサービスを挟んでの午後のセクションで、午前中未走行だったステージに挑むこととなった。
今回、PCWRCにエントリーしたSUBARU勢は2台のみ。うち、ヤリ-マティ・ラトバラは、1本目のステージ(SS4)の前にマシントラブルにより、残念ながらレグ1撤退となった。ラトバラは、スーパーラリー規定の適用を受けて、明日の再スタートを目指す。
一方、カタールのナッサー・サレ・アルアティヤーは活躍を見せ、SS4の後には早くもPCWRC4位につけ、この日の終わりにはPCWRC3位に浮上した。
ナッサー・サレ・アルアティヤー
「今日は、それほどプッシュはできなかった。レッキでは1回しか走行できなかった上に、コンディションはレッキ時とは全く違っていた。ノートはスノーの時に作ったもので、実際のコンディションは一変していた。
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あるコーナーがウェットかと思えば、次はドライ、そのまた次はアイスという調子。まったく予想合戦だし、一般のドライバーのような運転をしていた時もあったよ。今日のペースにも、マシンのパフォーマンス全体にも満足している。コンディションのこともあって、100%はプッシュしてはいないけどね。とにかくポイントを獲得することがとても重要なので、完走することに専念していくよ」
WRカーのファクトリーチーム勢とは違い、PCWRC勢にはグラベルクルーの派遣が認められていない上に、モナコでは特にコンディションの変化が激しく、大きなディスアドバンテージとなる。午前中のセクションではセーフティクルーの情報がギリギリまで届かなかったため、ドライバーたちはどこがアイスなのか、スノーなのか、マッドなのかを知るよしもないのだ。このため、グループN勢にとっては、より困難な状況となってしまう。この結果、PCWRCは特に保守的な構えで初日を迎えることとなった。無茶をしようものなら、1日中、慎重に慎重を重ねての走行となってしまうからだ。
この日、実質的な最初の競技走行となったのは、22.22kmのSS4。ブルガリアのドライバー、ジェイソン・ポポフがPCWRC勢の首位に立ち、英国のデビッド・ヒギンスが6.2秒差で続いた。日本の奴田原文雄が3位、アルアティヤーがその1.6秒差につけた。
SS5になると、アルアティヤーが奴田原を1.6秒交わしたが、続くSS6ではアルアティヤーが40秒近くのタイムロスを喫した一方で、奴田原が猛チャージを見せPCWRCの首位に浮上。この日終了した時点で両者の間にポポフを挟み、アルアティヤーが5.3秒で続いている。
STI グループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン
「今日のラリー・モンテカルロの幕開け、そしてPCWRCの開幕は、予想外の展開となった。特に残念だったのは、ヤリ-マティ・ラトバラが競技走行の前にマシントラブルに見舞われたこと。チームは明日の再スタートを目指しているので、レグ2の活躍に期待したい。ここはモンテカルロ、今から日曜日の午後までに何が起こってもおかしくはない。今日の非常に難しいコンディションの中、アルアティヤーは素晴らしい走りを見せ、3本のステージでPCWRC3位に入って見せた。タフな状況の中でも、ステージに慣れ始めている。明日はステージのコンディションがもっとクリアになることを期待している。そうすれば、新型マシンの力量がより発揮され、限界近くまで攻めることができるだろう。新型の06年型SUBARUインプレッサWRX STI spec Cには、何のトラブルも発生していない。今日の出来映えには大変満足しているし、ラリー残りのステージでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみにしている」