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新井敏弘 ラリーレポート
 
 
埃、岩、そして暑さが試練となるPCWRC初のアクロポリスに挑む

プロダクションカー世界選手権史上で初めて競技参加者は、かの伝説的アクロポリス・ラリーの過酷なステージに挑む。今年で第53回を迎えるギリシアでのこの大会は、ラリー界で際だった象徴的なポジションにある大会の1つである。

今回のイベントは、大会全体が首都アテネに集中しているという点も初めての試みである。観客は、オリンピック・スタジアムの中でスーパースペシャルステージを観戦することができ、サービス・パークやラリー大会本部もシティセンターに位置している。競技開催の3日間を通して、全てのステージが市の中心80km圏内で行われるが、実際に見ることのできる場所への移動は困難となるほどの大観衆が集中することが予想されている。

第3戦アルゼンチンの非常に早いステージの後では、今大会の全体的ペースは幾分ゆったりと感じられるかもしれないが、アクロポリス・ラリーはカー・キラーとして名高くもある。競技ルートはバンピー路面の典型で、鋭く切り立つ岩がばら撒かれたように点在する容赦のない路面コンディションを読んで、ギリシアの灼熱の中でクルマを操ることはクルーにとって至難の行程となる。今年は昨年よりも3週間早い開催となるが、気温の急上昇が予想されている。暑さは特に車内に厳しく、60oCに上昇するのも常となる。マシントラブルの多発も、アクロポリス・ラリーでは非常に多く見られる光景であり、世界ラリー選手権の中で最もタフなイベントと誰もが認めるところである。

参加者は19台のPCWRC登録エントラントのうち、1エントラントを除く全員が参加する予定で、2006年シーズンの中でも最もコンペティティブなイベントとなりそうである。SUBARUインプレッサWRX STI spec Cを投入するのは、昨年のPCWRC覇者の新井敏弘、昨季シリーズ2位で現在ポイントリーダーのナッサー・アル・アティヤー、ポーランドのレシェック・クサイ、フィンランドのヤリマティ・ラトバラ、ロシア・ラリー選手権で5度のチャンピオンに輝いたセルゲイ・ウスペンスキー、フィンランドのアキ・テイスコネン、日本から今季PCWRCデビューした鎌田卓麻、イギリスのナイジェル・ヒースの8台である。

プロダクションカーの参加者たちは、この暑さと埃との容赦なき3日間の戦いを終えれば、お待ちかねの12週間のサマーブレイクに入る。そして選手権が再開されるのは9月のラリー・ジャパンからとなる。

STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン
「初日のレッキを終えて、ドライバーやコ・ドライバーたちと話してみると、ステージ路面状況について意見が割れていた。ということはそれぞれ違った戦略で臨むはずなので、各ドライバーの戦い方が見ものだ。インプレッサのドライバー達は、強い車に恵まれ経験も豊富だから、このヨーロッパでの最も難しいラリーでも、チャレンジ精神を見せ、恐らくペースセッターとなってくれると信じている。今季、彼らは成績を上げてきているので、このラリーが終わった時には、選手権の行方がはっきりと浮かび上がってくるんのではないかと思っている」

 

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