2006年FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)最終戦となる第8戦「ラリー・ニュージーランド」(世界ラリー選手権=WRC第15戦)は11月17日、レグ1が行われ、3週間前に行われた前戦「ラリー・オーストラリア」でPCWRC初勝利を飾ったフィンランドのヤリマティ・ラトバラが、ニュージーランドでも初日からペースをつかみPCWRC首位に立った。
43kmのロングステージを含むステージ2本を2回走行し、ミステリー・クリーク・イベントセンターでのスペクイテイターステージで終えるという構成のレグ1は、総ステージ走行距離132kmで争いが繰り広げられた。
開幕レグは、日中サービス前の1回目の走行では、ステージは泥まみれで超スリッパリーというコンディション。2回目の走行では路面がかなり乾き、午前とは全くことなるコンディションとなった。
午前中、最もドラマチックな瞬間となったのは、SS2。ヤリマティ・ラトバラがテ・コラハのロングステージで、5速からスピンを喫した。スピンの間もどうにかコントロールを維持し、タイムロスも10秒で抑えた。ラトバラは日中サービスの後、プロンギア・ウェストの再走で猛チャージをかけ、同じくSUBARUの新井敏弘からトップを取り戻した。ラトバラはその後もこの日最後までポジションを維持し、この日最後のSSとなるスーパースペシャルを終えた時点で11秒のマージンを築いた。
新井敏弘は、午前中トラブルフリーで過ごし、SS2ではヤリマティ・ラトバラから首位を奪取。
 |
| Copyright STI |
新井敏弘
「今日の午前中、マシンの動きが少し暴れ気味だったので、日中サービスではマシンがもう少し安定するよう、ジオメトリーを少し調整した。午後はまずまず。肝を冷やす場面もなかった。高速でフェンスに軽く接触したくらいだが、ダメージもなく問題なし」
ポイントリーダーのナッサー・サレ・アルアティヤーは、午前中は比較的慎重なアプローチを見せ、最初のステージで9位につけていたが、その後7位にまで浮上。午後にはペースを上げ、SS3で6位に上がるとその座をレグ終了までキープした。
ナッサー・サレ・アルアティヤー
「全開では攻めていなかったので完璧なペースをつかむのは難しかったが、安全かつ、奴田原文雄(ドライバーズタイトル争いで唯一逆転の可能性を残している)との差を維持するには充分な速さで行った」
セルゲイ・ウスペンスキーに変わってカーナンバー42で参戦している同郷ロシアのアレクサンダー・ドロシンスキーは、今日の成果に満足を見せたが、午前中にはターボラグのトラブルとタイヤチョイスに苦しんだ。ドロシンスキーは、高速でクレストを越え、コーナークリアの際マシンの外側をバリアに当てながらコーナーをクリアしたため、マシンがやや縮んだ状態で日中サービスに戻ってきた。派手なアクシデントではあったが、タイムロスは数秒に抑えた。
アレクサンダー・ドロシンスキー
「午前中は問題なしで、マシンを最高。おそらくタイヤチョイスを誤ったかもしれないが、ニュージーランドでの初めてのラリーをとても満喫している」
午前中は問題なしと伝えられた鎌田卓麻は、午後にはややハードにアタックし、自分本来のペースにより近づけた。午後はタイヤチョイスがコンディションに対し最適とは言えず、SS3ではパンクに見舞われかなりのタイムロスを喫した。
鎌田卓麻
「午前中はよかったが、問題は午後だった。タイヤは間違いなく合っていなかったし、乾き始めた路面に対しカットも深すぎた。これがスローダウンにつながった。またパンクでもタイムロスを喫した。明日の目標はクリーンなドライブで丁寧にステージを攻略し、明日の終わりにどこまでいけるかを見る」
レサック・クサイは、SS3で低速の左コーナーにオーバースピードで進入。マシンは草地に入り込みながらクラッシュし、崖の際でストップした。クルーは、30m下に転落するリスクを避け、スイーパーカーの到着を待って引き上げてもらうことを決め、レグから撤退となった。
クリス・ウェストはSS2の15km地点でパンクに見舞われた。タイヤ交換に安全な場所を見つけるまで2、3km走行しなくてはならず、タイヤ交換に要した3分に加え1分のタイムロスとなった。
リチャード・メイソンは、1日トラブルフリーで過ごし、この日5本のステージで安定して5位を維持した。
STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン
「ここニュージーランドの初日は、非常に面白い展開となった。ナッサーは求められる仕事をこなした。通常トップレベルのパフォーマンスを発揮する彼にとってペースを
 |
| Copyright STI |
抑えながらの走行は簡単なことではなく、彼もそれに苦戦していたが、今日は非常にうまくやりこなした。
PCWRC首位に立ったヤリマティ・ラトバラは、見事な活躍だった。不必要なトライはしなかった。午前中は小さなミスがあり、そこでほんの少しだけハードに攻めすぎていることに気が付いた。その後、同じ事は繰り返さず、今は安定した。最終レグが重要となってくるので、今のところは大きなリードを作りたいとは思っていない。トシは非常に素晴らしい走りを見せた。カマダのコ・ドライバー、デニス・ジローデによると、カマダは懸命に学んでいるということだ。
厳しい一日となったクリス・ウェストは、明日はPCWRC勢の上位陣に迫るペースを見せつけてくれることだろう。昨年はとても速く、イベントを通して速さを見せつけていたので、彼ならできると思う。同じニュージーランド出身のリチャード・メイソンは非常に安定して速さを見せた。彼は非常に訓練されたドライバーなので、明日、どんな走りを見せてくれるか楽しみにしている。リチャードは上位陣にかなり迫っているので、ペースを上げてくると見ている。レサック・クサイはSS3で、非常に激しい形でコースオフした。レサックらしく、彼は素直に自分のドライビングミスを認めていた」
|