WRCラリージャパンの前哨戦ともいえるアジア・パシフィックラリー選手権(以下APRC)ラリー北海道。APRCを追いかけるドライバーたち、また国内トップクラスのドライバーが火花を散らす、国内最高峰イベントのひとつだ。今回はAPRC勢のコディ・クロッカー、柳澤宏至をはじめ、SUBARUラリーチームジャパンからはラリージャパンでWRカーのドライブが決まって意気上がる新井敏弘、今シーズンからPCWRCに参戦を開始した鎌田卓麻など、強豪が顔をそろえた。新井にとってはPCWRCチャンピオン獲得後初の国内イベント、鎌田にとってはいわば凱旋、柳澤にとっては得意の国内イベントで好成績を収めてシリーズを有利にしておきたいところ。また柳澤は今回から新型インプレッサを投入しており、どんな走りを披露するのか、APRCシリーズリーダーのクロッカーに対して国内を知り尽くしている新井、鎌田、柳澤らがどんな戦いを繰り広げるのかなどが注目された。 北海道のステージというと超高速のフラットダートというイメージだが、APRC勢に言わせると、確かにそういうステージもあるがツイスティで掘れる個所もあり、バラエティに富んだコース、という評価となる。さらに、レグ1で4本、レグ2で4本の計8本のステージをそれぞれ2回ずつ走る設定になっており、2回目の走行の際にはかなり路面が荒れて、土の中に隠れていた尖った石がバーストを誘うという難しさ。ラリーウイークの十勝管内は好天に恵まれ、路面はドライ状態。レッキが行われた木曜日から天候は下り坂となったものの、降った雨は路面を湿らせる程度で、ラリー当日となる土曜日は曇り、日曜日は青空が広がっていた。 ラリー展開は、まず鎌田がスパートした。SS1、2と連続奪取して、新井を5秒リードしてラリーリーダーとなる。だがこれを受けて新井はSS3で2番手の鎌田を約19秒ちぎるベストタイムをマークして、一気にラリーリーダーに躍り出た。クロッカーと柳澤も好タイムをマークして、4SSを終わってトップ4台をインプレッサが独占していた。2回目の走行となるSS5以降も新井がベストタイムをマークし続けて、ラリーリーダーの座を磐石なものにしていく。レグ1の8SSを終えて新井がトップ、1分以上離れてクロッカー、その2秒後方に鎌田、さらに44秒遅れて柳澤というオーダーになっていた。 一夜明けてレグ2。ここでも新井は手綱を緩めることなく好タイムを連発。鎌田がSS10と13で、柳澤がSS11で、クロッカーが最終SS16でベストタイムをマークするも新井のトップはゆるがずにゴール。結局新井は2位の鎌田に1分30秒以上の大差をつけて、ラリー北海道をゴールした。新井、鎌田は来るラリージャパンに向けて好感触をつかめたようだ。クロッカーは3位、柳澤は4位。APRC登録選手ではクロッカーが優勝で柳澤が2位となり、それぞれポイントを大きく稼いでクロッカーはシリーズリーダーを堅守、柳澤はシリーズ4位にジャンプアップした。