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チャンピオン決定となるウェールズラリー
新井敏弘選手のチャンピオン獲得の行方は?

FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(P-WRC)最終戦となる第8戦「ウェールズ・ラリー・GB」(FIA世界ラリー選手権=WRC最終戦第16戦併催)は11月29日、イベント開幕を迎える。現在シリーズリーダーに立っている日本の新井敏弘は、既にノミネートイベントを消化しているため今イベントには不参加となるが、この週末のリザルト次第で、今季激戦を見せたP-WRCでの2回目のタイトル獲得が決まる。

このイベントに参戦するSUBARU勢は、パトリック・フロディン、イフゲニー・ヴェルツノフ、ミルコ・バルダッチ、実弟のロイス・バルダッチ、米国の若きチャンピオン、トラヴィス・パストラーナ、レチェック・クザイ、デビッド・ヒギンズ、スピロス・パブリデ。全ドライバーが、新井のタイトル争いのライバルとなる三菱のガブリエル・ポッゾよりも上位でフィニッシュすることを目指す。

ウェールズは刻々とグリップレベルが変わっていくため、競技3日間を通してどのようにレベルが変わっていくのか確定することが難しい。天候もラリーの展開を大きく左右させる。この週末は3日間を通して降雨が予報されており、この点も重要なポイントとなりそうだ。

日曜日午後に誰が勝利を手にするのかは、競技がスタートするまで予測することは非常に難しい。しかしインプレッサ勢にも優勝候補がいることは間違いなく、特に地元英国出身のデビッド・ヒギンズは優勝候補筆頭といえるだろう。

その他、パトリック・フロディン、ミルコ・バルダッチ、レチェック・クザイも、アクシデントを避けることができれば、上位に上がる実力の持ち主だ。特に、2週間前のアイルランドでリタイアを喫したクザイは、ハードなプッシュを見せることが予想される。また、トラヴィス・パストラーナには、サプライズの活躍が期待される。GB参戦は初めてのパストラーナにとっては、初挑戦の者には特に過酷なこのイベントを走り切ることでも、大きな収穫となるだろう。

STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン

「月曜日に行ったプレイベントテストでのコンディションは、この週末のSSで我々が予想しているものとほぼ変わりはなかった。今日のテストでは、多くのドライバーから、週末のステージもテストでのコンディションのような感じなのかと質問を受けた。その度に私は、”そうだ。おそらくは、それ以上だね”と答えた。そしてさらに”ステージは、テストを終えた後の状況と同じくらいラフになるのだろうか?”という問いには、”それどころか、もっとラフになるだろうね”と。

このイベントに参戦したことのないドライバーにとっては少しショックだったのではないかと思うし、参戦経験のあるドライバーは、このテストでその記憶を鮮明に思い出すことができたはずだ。イベント全日ではないが、部分的に雨が予報されているので、ドライバー陣もそれに備えてくることは間違いない。ドライバーたちは、イベントが進むにつれて道は難しくなっていくと見ている。轍がどんどんと深くなってその中にキープしていかなくてはならなくなり、そこを外れれば一瞬で全てが終わりかねないのだ。

どのドライバーも、準備万端だ。このイベントは、数人の争いになるのではないかと考えている。特に、TaCKチームの代理ドライバーを請け負ったデビッド・ヒギンズは筆頭だろう。そしてもちろんパトリック・フロディン、ミルコ・バルダッチ、イフゲニー・ヴェルツノフにも期待がかかる。そして初参戦ではあるが注目なのは、米国のトラヴィス・パストラーナだ。彼は、過酷な米国選手権で充実した経験を積んできており、果敢なチャレンジが期待できる。

ウェールズの道はとにかくワイドで高速だが、スリッパリーでグリップレベルの変化が激しい。道のほんのわずかな距離の中にブレーキングポイントでまったくグリップが得られない状況からその後すぐのコーナーではトラクションが稼げる、というようなこともあり、コーナー進入での判断が特に重要になってくる。テストでは、SUBARU勢はコンディションの変化にも自在に対応できる様子を見せていたが、もちろん天候がウェットでタフになるかどうかも大きな要素だ。

このイベントには不参戦だが、トシにはこの週末のリザルト次第でチャンピオン獲得のチャンスを残している。しかし、唯一タイトル獲得の可能性を残しているガブリエル・ポッゾも、充分優勝できる実力の持ち主だ。三菱勢からも強豪が参戦してきており、このラリーでの優勝候補は6人ほどに絞られるのではと思う」

2007年P-WRC最終戦となるこのイベントの進展を、新井も絶えず見守ることになるだろう。