LEG1 Report

新井敏弘選手、パンクによる遅れもあり3位のポジション
 


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FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(P-WRC)第2戦「ラリー・メキシコ」は3月9日、レグ1が行われた。2007年のP-WRC最初のグラベルイベントは、メキシコシティの北部400kmにある本拠地・レオンの郊外に設定されたステージで行われた。クルーは、この日序盤から非常に厳しくスリッパリーなステージに挑んだ。場所によっては、コースラインに留まることが生き残る術となる過酷な争いとなった。

レグ1には、3本のステージのループを2回走行する設定に加え、夕方レオンに戻ってのスーパーSSが行われた。

P-WRC勢では、SUBARUのミルコ・バルダッチと三菱ドライバーのマーク・ヒギンズが接戦を繰り広げた。両者は、一歩間違えば即リタイアともなり得る限界ギリギリのアタックを展開。しかしバルダッチは、ハプニングなく一日を終えた。

この午前中、波乱に見舞われたのは、ナッサー・サレ・アルアティヤー。SS2の超高速コーナーでスローパンクチャーが発生し、コースを外れマシンは転倒、リタイアとなった。ドライバーとコ・ドライバーはいずれも無傷だったが、8回もの激しい転倒でマシンは満身創痍となった。おそらくスーパーラリーでの再スタートもないと見られている。この日のオープニングステージでは上位陣に食い込む速さを見せていただけに、現P-WRCチャンピオンにとっては悔やまれる撤退となった。

またアレクサンドル・ドロシンスキーも、序盤で原因不明の撤退。しかし、明日はスーパーラリー規定を活用しての再スタートを目指している。ロリス・バルダッチもラリー・メキシコ初日の序盤から憂き目に遭い、この日多くの犠牲者を出した橋でホイールを失った。バルダッチは、夕方のスーパーSSにはスーパーラリーで再出走した。


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新井敏弘は、SS4でパンクに見舞われ、ヒギンズ、ミルコ・バルダッチの上位陣から45.9秒の遅れを喫した。この上位2名は、後続を大きく引き離す激戦を繰り広げていたが、新井もこのパンク以外は問題なく1日を走り終えた。キプロスのスピロス・パブリデも、ドラマチックな序盤を迎えた一人。SS1でコースオフし、左フロントにダメージを負った。その後SS2ではスピンを喫し、ストール。SS3では、超スリッパリーなコンディションで犠牲者が多発していることから、多くのドライバー同様、慎重な走りを見せた。午後はややスローペースとなったが、結果としては堅実なタイムにつながった。

クリスチャン・ショーベリは上位陣に迫る勢いを見せこの日終盤には追いつくかと思われたが、SS5でパンクに見舞われスローダウン。しかしクルーは、わずか90秒でタイヤ交換を完了させるという、見事な早業も披露した。

レチェック・クザイもラリー・メキシコのスタートをドラマチックに迎え、開幕ステージではスピンを2回、SS2でも1回喫した。SS3ではトップクラスのペースを披露したクザイには、残り2日間での巻き返しが期待される。新井と同様に午前最後のステージではややナーバスになり、序盤のアクシデントがやや影響した様子。しかし午後は新井のようにはいかず、原因不明のオーバーヒートトラブルに見舞われた。今晩のサービスでの、チームメカニックの手腕に期待がかかる。

地元同然のラリーへの参戦で多くの注目を集めた米国のP-WRCルーキー、トラヴィス・パストラーナは、SS1の終わりでスピン、その後SS2でもスピンを喫し、かなりのタイムロスを喫した。この影響で、SS3ではより堅実な攻めに徹した。それを除いては、P-WRC初参戦に見事なパフォーマンスを見せ、WRC初参戦イベントでも、より経験豊富なライバル勢にも劣らないペースを見せた。この速さに、将来のWRCスタードライバーとしての大きな期待がかかる。スーパーSSではバリアに接触し、左リアの、多くのドライバーがダメージを負った全く同じ場所に、パストラーナもダメージを負った。

ワイドなメキシコの道でもナローなラインをなぞることは常套手段で、もしラインを外れて砂利部分に飛び出せば、コンディションはたちまち信じられないほどスリッパリーになる。ケン・ブロックは、SS1でクレストを越え中速の右コーナーに入る時、まさにこの状況に陥ってしまった。一瞬ブレーキが遅れ、マシンをラインに戻すことができず、溝の中にスリップしてマシンは緩やかに転倒してルーフから着地した。ブロックは明日、スーパーラリー規定を使って再スタートする予定。

Driver comments:


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新井敏弘:
「SS1とSS2は、とにかく信じられないくらいスリッパリーだった。SS2で小さなミスをして、コーナーを膨らみすぎて溝にはまった。大きな石にヒットして、リムをひどく曲げてしまった。これで無事だったのは嬉しかったが、驚いた!SS4でパンクに見舞われた後に戦略を変えて、フィニッシュすることに専念している」


ミルコ・バルダッチ:
「マシンには非常に満足。午前のタイヤチョイスもパーフェクトだったので、1回目のループではいいペースで走ることができた。僕たちにとって、SUBARUインプレッサWRX STI spec Cでの、初めての本格的なグラベルイベントだが、全てがうれしいくらいに好調だ」

クリスチャン・ショーベリ:
「いい走りができたし、マシンをコーナーでヒットさせないように留意した。パンクの後、2分30秒も後退したので、僕たちにとってはハプニング待ちの展開となった」

レチェック・クザイ:
「ステージは信じられないくらいスリッパリーだった。最初の2本は、本当にひどかった。日中サービス前になってペースをつかみ、マシンも素晴らしい走りをするようになった。しかし午後はオーバーヒートに見舞われた。この夜のサービスで、解決できるように期待したい。メキシコに参戦して、本当によかった」

トラヴィス・パストラーナ:
「正直、序盤のあの冒険劇の後でサービスに戻ってこられたのだから、うれしい限りだ!」とランチタイムで活き活きと語るパストラーナ。「午後はスプリットタイムでは少し遅かったが、総合的には速くなった。残り2日間で、向上し続けていきたい」

STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン

「まだマシンの経験が浅いミルコ・バルダッチが、素晴らしい走りを見せてくれた。彼が速いことは知っていたので、インプレッサをドライブしてくれて非常にうれしい。今日、WRCイベント初参戦のトラヴィス・パストラーナが見せたパフォーマンスも、非常に感銘を受けた。ヨーロッパチャンピオンクラスのドライバー勢と渡り合い、WRC初参戦で、並外れた実力を見せつけてくれた。ロリス・バルダッチは、ペースアップを見せてくれた。様々なイベントを学んできた日々の成果が見え始めてきた。彼はSUBARUを乗り慣れているので、今シーズンは間違いなく、順位アップをしてくることになるだろう。

多くの人々が予想していた以上にタフな日となった。このラリーに来る前は、誰もがこのラリーはラフだという話をするのだが、レッキに入ると少しスムースになるかもしれないと考える。ラリー・メキシコは、どのP-WRCにとってもタフなイベントであることを証明してきている。現在、他から突出しているのが、ミルコ・バルダッチとマーク・ヒギンズの2人。激しい首位争いを展開しており、明日もこのバトルが続くことを期待している。トシはP-WRC3位につけておりかなり手堅いポジションだが、まだまだ多くの難関が待っている。今日のように、明日も緊張が続く1日となるだろう。

トラヴィスは非常に素晴らしい走りで、今日のパフォーマンスで彼への期待がさらに高まった。自分のペースノートを使っての競技初日を、実に満喫していたようだ。自身の将来の計画をしっかり建てている。このように卓越したアプローチを持つドライバーの活躍は、とてもうれしい。スピロスは今日の午前のステージで手痛い洗礼を浴びたが、午後には落ち着きを取り戻した。午後パンクに見舞われたクリスチャンは、少しアンラッキーだった。彼は序盤、上位争いに食い込んでいたが、このパンクでかなりの後退を喫した」

明日、コンペティターはレグ1とほぼ同じ距離を走行。明日も6本のSSの後、夕方にはスーパーSSを2回走行する設定となる。

順位
No.
ドライバー
タイム
1. 34 M.ヒギンス
1:32:28.0
2. 45 M.バルダッチ
+10.0
3. 31 新井敏弘
+1:28.3
4. 35 奴田原文雄
+1:42.3
5. 41 L.クサイ
+2:51.5
6. 38 K.ショーベリ
+2:55.6
7. 52 T.パストラーナ
+3:01.1
8. 49 S.フォズテク
+3:12.8