LEG2 Report

新井敏弘選手は+2.6秒差の2位
本格的なステージで速さと堅実性を発揮 


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FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(P-WRC)第3戦「ラリー・アルゼンチン」(FIA世界ラリー選手権=WRC第6戦)は、5月5日(現地時間)、本格的な競技走行初日を迎え、午前中に5本、日中サービスを挟んで午後に4本、計9本のステージ走行が行われた。この日は全般的に曇り空で路面には湿り気が残り、前日に予想外で発生したイベント混乱の後ということもあり、ドライバー陣はこの日の競技を慎重にスタートした。この日のステージが終了した時点で、SUBARU勢最上位には、新井敏弘が首位にわずか2.6秒差のP-WRC2位につけた。

この日を通じてトラブルなしの走行を見せた新井は好タイムをマークしたが、この日の首位奪回には一歩及ばなかった。「地元イベントでもこのステージを走り込んで経験が豊富な地元ドライバーに対し、タイムが及ばなかったのだと思う。これは予想していたことなので心配はしていない。自分の走りのペースには満足している」と新井は日中サービスでコメント。

ナイオール・マクシェアはSS12でサスペンションを失ったが、ステージ終了後のロードセクションで修復し、マイペースでサービスに戻った。「ラリー・アルゼンチンの走行を満喫しているし、マシンも順調。ブレーキの調子がパーフェクトではないように感じるので、明日に向けてパッドを交換する。マシンの各部は基本的にはパーフェクトで、このイベントでのチーム戦略に忠実なドライビングをしている」

ミルコ・バルダッチは、この日最初のステージスタートからわずか数kmの地点でインターコムの故障、さらにフロントガラスの曇りに悩まされた。いずれのトラブルもステージ終了の頃には改善された。またウォータースプラッシュの進入速度が高すぎたためエアフィルターが故障し、その後の水渡りは慎重にならざるをえなくなった。午後になると、タイヤチョイスが合わず後半のステージを通してペースが上がらなかった。「午後に選んだタイヤが合わず、自分の好きなサンタ・ロサ、ラ・バハダ、アンボンなどのステージでもプッシュすることができず、少し残念だ」

クリスチャン・ショーベリは、この日のオープニングステージで他を大きく引き離す衝撃的なタイムをマーク。しかし続くステージでは、ステアリングをわずかに曲げてしまった。このトラブルで小さなミスを犯しコースオフ、タイヤを失った。明日はスーパーラリーでの再スタートは行わない。

メキシコで衝撃的なP-WRCデビューを果たしたトラヴィス・パストラーナは、素晴らしいペースでこの日の滑り出しを迎えた。しかしこの日午前中の数ステージで、ウォータースプラッシュの進入速度が高すぎ、スピンを誘発。その後は慎重に攻めたが、続く水渡りで大量の水がボンネットを覆い、マシンにミスファイアを発生させた。ラッキーにもこのトラブルは落ち着き、午後のステージも走行を続けることができたパストラーナは挽回を見せたが、この日最後のステージでサスペンションにダメージを負った。これで1分近くのタイムロスを喫し、ポイント圏外まで後退したが、明日残りの走行に期待がかかる。

現P-WRCチャンピオンのナッサー・サレ・アルアティヤーは、午前中3本目のSS12で大きなドラマに見舞われた。ジャンプの着地でインダクションボックスを破損した。その後、大きなウォータースプラッシュをクリアする際にエンジンに水が進入しミスファイアを誘発、タイムロスにつながった。午後のステージでは挽回を見せたものの、この日最終ステージでミスによりサスペンションにダメージを負い、残念ながらリタイアとなった。明日はスーパーラリーでの出走はしない見込み。


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STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン

「何と言ったらいいか、実にラリー・アルゼンチンらしい1日だった。この言い方が的を得ていると思う。トシは完璧なペース配分を見せた。彼は、コンディションが非常にラフなので、通常アルゼンチンで行うペースよりも、わずかに遅めにドライビングしているのだと私に語った。この配慮がバッチリ功を奏したようだ。もちろん地元ドライバー勢は、このイベント以外にも年間に2、3回もここのステージを走行しているので、かけ離れた知識を持っており、彼らの多くが10年もここを走り込んでいる。こうしたドライバーは優勝候補で、非常にいい走りを見せている。このアドバンテージを握る彼らに対抗するのは、とてもハードなことだ。

SUBARU勢で唯一トップ勢に食い込んでいるのはトシだが、彼をサポートするポジションにつけるナイオール・マクシェアとミルコ・バルダッチは、両者ともトラブルを抱えたが、それでも依然期待がかかる。ナイオールはここで素晴らしい走りを見せており、チームから実に厳しい戦略を指示されて参戦している。これを忠実に守り、波乱に富んだラリー・アルゼンチンの本格的な競技初日を終えて、P-WRC 5位につけた。彼はまだまだ争いに残っている。

予想通り、12人の優勝候補のうち、そのうち7人がトップ7に残っている。つまり12人のうち5人が撤退したということであり、実にアルゼンチンらしい展開。ナッサーの撤退は非常に残念だ。実に見事に上位陣での争いを展開していた。トラブルの理由は分からないが、タイヤを失ってリタイアに追い込まれたことは確か。この午前中の全ドライバーのパフォーマンスを挙げたら、枚挙にいとまがない」

明日のステージは、選手権全体の中でもタフな内容で、アルゼンチン屈指の名門ステージ、エル・コンドールも控えている。その後、コルドバでのスーパーSSで締めくくりを迎える。

順位
No.
ドライバー
タイム
1. 60  F. VILLAGRA
1:55:44.7
2. 31  T. ARAI
+2.6
3. 36  J. HANNINEN
+18.2
4. 54  G. POZZO
+1:57.9
5. 53  N. MCSHEA
+1:58.6
6. 45  M. BALDACCI
+2:04.5
7. 59  M. LIGATO
+2:25.1
8. 47  A. AIGNER
+3:47.5