Leg3 Report

新井敏弘選手が脅威の大逆転で優勝を飾る
 


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FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(P-WRC)第5戦「ラリー・ニュージーランド」は9月2日、レグ3が行われた。イベント最終日は、イベント史上に残る名バトルが展開された。この日開幕6ステージでP-WRC首位を死守していたナイオール・マクシェアだったが、新井敏弘がその守りも揺るがす猛チャージを見せ逆転、スーパーSSでは大勢の観衆の前で、2.0秒差をつけてマクシェアを抑え、優勝ドライバーとしてのフィニッシュを飾った。この週末見事なパフォーマンスを見せた地元ニュージーランドのリチャード・メイソンも3位に入り、SUBARU勢がポディウムを独占するという夢のようなフィニッシュとなった。

この日のオープニングステージで、新井は早速ガブリエル・ポッゾをかわしてP-WRC2位を奪取。これで、SUBARU勢は首位にマクシェア、2位に新井、5位にメイソンがつけた。この順位はこの日最後の本格的なステージ、SS17のワーンガ・コースト2まで続いた。ここでこれまで徐々にギャップが詰まっていたトップ2の順位がついに入れ替わったが、4時間10分32秒もの熾烈な争いの末に、首位となった新井とマクシェアの差はわずか0.6秒となった。同じく、リチャード・メイソンも見事なパフォーマンスを見せ、この日の山場と言うべき局面で順位を2つ上げて3位に浮上、フィナーレを迎えたミステリー・クリークのスペクテイターステージでもそのポジションをキープした。

この展開は、新井が完璧なタイヤチョイスを行ったことによるものとも言えるが、新井自身も文句なしの速さを見せた。興味深いことに、レグ1、レグ2で頻発したパンクも、この日苦しんだものはなかった。午前中を通して新井は昨日からのチャージを続け、SS13、15、17と3回のサードベストタイムを、SS14ではセカンドベストタイムをマークした。スーパーSSでは、この日唯一のステージウィンを獲得し、マクシェアに2.6秒差でのイベント勝利を決めた。


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新井敏弘:「むろん、この結果にはとても喜んでいる。スーパーSSではリアをタイヤバリアにヒットさせたので何かが壊れなかったかと心配したが、無事ここにいる。最高の気分だよ」

ここで勝利を獲得したことにより、新井はシリーズ3戦を残した時点でタイトル争いでは2位に24ポイントをつけ、2007年のP-WRCチャンピオン獲得が視野に入ってきた。

ナイオール・マクシェアは、この日最初のステージでサードベストタイムをマークし、2回目のループでも堅実なペースを維持した。しかし各SSで新井が徐々に詰め寄ってきたため最終的には勝利を譲ることとなったが、今季わずか2戦目のラリー参戦とは思えない見事なパフォーマンスを発揮した。

ナイオール・マクシェア「本当に、本当にいいラリーだった。トシとは良い争いができた。彼はパンクをしてからも決してあきらめることなく、この週末を通して非常に良い走りをしていた。勝つことができなかったのは残念だが、最終的にこの順位でもうれしいよ」

リチャード・メイソンは、午前中を通して文句なしのチャージを見せ、SS15、17と2回のセカンドベストタイムをマークし、ワーンガ・コースト2では2人をかわして、地元イベントでのポディウムフィニッシュを手中に収めた。

リチャード・メイソン「自分たちに起こったトラブルを考えれば、3位という結果はもちろんうれしい。来年はもっといいリザルトを獲得できるのではないかな」

トップ3をインプレッサ勢が独占した他、SUBARU勢では、ロシアの若手、イフゲニー・ヴェルツノフが11位、P-WRC初参戦に挑んだミスファー・アル・マリが12位、エマ・ギルモアが13位、ミルコ・バルダッチは15位、兄弟のロリスが16位、スピロス・パブリデが18位に入った。

STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン

「今日、こんなバトルを目にすることになるとは。P-WRC史上希に見る激戦となり、SUBARU勢がP-WRCのポディウムを独占するという最高の日となった。ナイオール・マクシェアは最終2番目のステージまで、ラリーの半分で首位に立っていたが、ワーンガ・コーストの名ステージでトシにかわされ、わずか0.6秒差で首位を明け渡した。

ナイオールはすさまじい努力を見せたが、最も気合いの入っている日本人ドライバー、トシ・アライが、WRCでも屈指のステージでとにかく良い走りを見せた。本当にハードな走りを見せ続けていたが、唯一スーパーSSのこれまでの2回の走行では背中の痛みのために良いパフォーマンスを見せることができてなかった。今日の最後のスーパーSSでは思い残すことはあったにせよ、トシはトシらしくきっちりと仕事をしてナイオールから首位を守り、このステージで2.0秒先行して最終的に2.6秒差での勝利を決めた。

地元のリチャード・メイソンも、この週末素晴らしいラリーを見せ、見事3位を獲得してみせた。常にプレッシャーをかけて、ワーンガ・コーストでは2人のライバルをかわした。地元ニュージーランド人ドライバーに、見事なパフォーマンスを見せてもらった。

トシに関してはできる限りハードなドライブをしており、どのステージでもナイオールをキャッチすることは簡単には行かなかったとコメントしていた。またトシは、ナイオールがこの週末の間にいくつかトラブルを抱えていたことも知っていた。トシは勝つためにシリーズに参戦しており、ニュージーランドで勝利したことで、タイトル獲得に向けて大きく前進した。これで、リードを24ポイントとし、ジャパン参戦でのストレス軽減となったが、ラリーでは簡単に事が進むことはあり得ず、我々も、もちろんトシもそのことをよく分かっている。たくさんの強豪が彼をぴったりと追っており、トシにタイトルを取らせまいとベストを尽くしている。今後の行方に期待したい」

順位
No.
ドライバー
タイム
1. 31  T. ARAI 4:13:35.8
2. 53  N. MCSHEA +2.6
3. 38  R. MASON +1:10.2
4. 54  G. POZZO +:13.1
5. 35  F. NUTAHARA +1:19.9
6. 46  A. Araujo +1:40.2
7. 36  J. HÄNNINEN +2:11.1
8. 51  M. RAUAM +2:39.4