Leg3 Report

新井敏弘選手は10位フィニッシュ
チャンピオン確定は次戦以降に持ち越し 


Copyright © toshiarai.com 

FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(P-WRC)第6戦「ラリージャパン」(FIA世界ラリー選手権=WRC第14戦併催)は10月28日、競技最終日となるレグ3が行われた。北海道を舞台に繰り広げられた3日間の過酷な争いの末、2台のSUBARUインプレッサWRX STI spec CがP-WRCポディウムフィニッシュを獲得して今年のラリージャパンを終えた。さらに3台のSUBARU勢がP-WRCポイント圏内でのフィニッシュを果たした。

ラリージャパンの最終日は、快晴の空の下、気温もやや上がり、イベント前半2日間とは対照的なコンディションとなった。クルーは、この日も早朝にサービスパークをスタート、7時03分にスタートしたレグ3最初のSSを皮切りに6本のステージに向かった。空は青いがステージ自体は非常にスリッパリーとなり、多くのコンペティターがジャパンラウンドの最終日に、慎重な走りを見せた。

SUBARU勢の多くは、この日堅実な滑り出しを見せた。

鎌田卓麻は、この日のほとんどをレグ2で浮上したP-WRC2位の座を守ったが、順調満帆とはいかず、この日2本目のステージでは、フィニッシュ手前6kmでスローパンクに見舞われる。このステージの残りを堅実に走り切り、リエゾンでは大きなタイムロスなくタイヤ交換を行った。しかし、この日ラスト2本目のSSで、ブレーキシールが故障、2位キープの計画が崩れることとなった。このトラブルで3位にわずか数秒遅れ、2位からは20秒遅れの4位に後退となった。それでも、鎌田は自身のP-WRCベストリザルトタイの4位でのフィニッシュを果たした。


Copyright © toshiarai.com 

しかし、イベント終了後に行われた公式車検で、2位でフィニッシュしたアルミンド・アラウージョが失格になったことで順位の変動があり、鎌田は3位に繰り上がり、自身のベストリザルトを更新し、母国イベントでのポディウムフィニッシュを獲得した。

鎌田のトラブルで2位に浮上したのが、同じくSUBARU勢のレチェック・クザイ。ペースノートに満足できずにいたクザイだったが、日中サービスで調整を行い、午後の復調を目指した。ポーランドタイトルを4回獲得している名手・クザイは、アクシデントに見舞われても即座に立ち直り再びハードにアタックしていけることで知られているが、今回はそのスタイルが結果につながり、3時間48分以上の争いの末にわずか8.3秒の僅差で鎌田を上回り、今季初めての3位を獲得した。最終ステージになってディファレンシャルにトラブルが発生しハーフスピンを喫したが、それでも最終的にこのポジションを維持した。さらに車検でのアルミンド・アラウージョの失格により、2位に繰り上がった。

また確定リザルトで4位に入ったのは、同じくSUBARU勢であるロシアの若手、イフゲニー・ヴェルツノフ。この日は後ろに迫るマーク・ヒギンズからハードチャージを受け続けたヴェルツノフだったが、ポジションを死守。午後もトラブルなしで走りきったヴェルツノフは、自身のペースと最後まで堅実に走り切ったことに満足を見せた。ヴェルツノフは5位でフィニッシュしたが、車検後の順位変更で4位に繰り上がり、P-WRCでのこれまでの自己ベストとなった。

さらに後方では、パトリック・フロディンが最終的に6位でフィニッシュし、P-WRCポイント3を持ち帰った。フロディンとコ・ドライバーのマリア・アンダーソンは、最後まで堅実な走りを維持した。

タイトル争いがかかりながらポイント圏外に終わった新井敏弘は、11位でのフィニッシュ、車検後に10位となり、この4年間の母国ラウンドの結果としては、最も運に見放された内容となった。新井のタイトル獲得は依然可能性が残っているが、新井自身はこれで今季のノミネートイベントを全て消化したため、シリーズ残りの2戦での結果を待つこととなる。

タイトル争いからは遠ざかっているものの、スピロス・パブリデはラリージャパン3日目の競技走行を満喫。最後の帯広スーパーSSでは、ヴェルツノフにわずかコンマ2秒差の9番手タイムをマーク。堅実な走行で3日間の競技を乗り切り、14位でフィニッシュした。

STIグループNプロジェクト・ジェネラルマネージャー、ジョージ・ドナルドソン

「グループNエントラントにとっては、信じられないような展開のラリーとなったが、この週末でのアクションや苦難の末に、SUBARU勢から2台がポディウムフィニッシュを果たしたことは、STIのマシンが世界選手権でどれほどの強さと競技性を持っているかを如実に表している。上位につけていたパトリック・フロディンと新井敏弘が後退するという悲劇もあったが、その他のSUBARU勢が代わって活躍を見せた。

タクマ・カマダは、首位も狙える好ポジションからスタートしたが、3位でのフィニッシュとなった。レチェック・クザイはこの日冷静を保ち、ペースノートに不安を残しながらも持ち前の堅い決意を持っての走りを見せつけた。もちろんSUBARUの母国イベントということもあり、SUBARU勢がポディウムの頂点に上がってくれればなお喜ばしい結果となったと思うが、この過酷なグラベルイベントで全力を尽くして走り切ったSUBARU勢の活躍は誇るべきものであり、マシンもその競技性能とP-WRCでのトップ争いを繰り広げるパフォーマンスを見せた。

次は、非常にバンピーな新舗装イベント、ラリー・アイルランドを迎える。そして、このイベントには参戦はしないものの、トシは結果次第では2度目のP-WRCタイトルが決まる可能性を残している」

P-WRCの次戦、第7戦は、3週間後に控えるWRC初開催、ラリー・アイルランド。同イベントは国境をまたいでの開催となり、サービスパークはアイルランド共和国のスリゴに、HQは現在、英国領土となっている北アイルランドの行政地域、ストーモントに置かれる。

順位
No.
ドライバー
タイム
1. 54  G. POZZO 3:45:50.6
2. 41  L. KUZAJ +2:40.1
3. 52  T. KAMADA +2:48.4
4. 53  E. VERTUNOV +4:51.1
5. 34  M. HIGGINS +5:32.7
6. 50  P. FLODIN +12:49.0
7. 36  J. HANNINEN +17:21.8
8. 38  Y. IKEMACHI +17:58.1
9. 48  A. FARRAH +19:32.8
10. 31  T. ARAI 22:12.7