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SUBARUが誇る水平対向エンジン(BOXER)。そのスポーツ性能は新型インプレッサのエンジンにも引き継がれ、さらに革新されたエンジンが搭載されている。
EJ20型のエンジンは新たにツインスクロールターボが採用され、低速からのトルクが向上された。加速性能が重要な意味を持つラリーではこの進化は大きな意味を持つ。エンジンの最大出力はリストリクターによって規制される為、グループNカーは前者ほぼ同一の性能となることからも貢献度が大きいことがおわかりになっていただけるだろう。
実際新井は、「中低速コーナーでは、一段高いギヤでもアクセルを踏んでいけるし、ニュージーランドのようなハイスピードグラベルでは、立ち上がりから早くスピードを乗せる必要があるので、加速性能の改善はかなり有効です。コースによっては02モデルのインプレッサと比べて最高速で10km/h以上差がつくこともありますね」と語っている。

エンジン関連では、エキゾーストマニホールド以降の排気系は改造が自由となっているが、排気音量などはラリー開催国の国内法が優先するので、新井車にはプリサイレンサーが装着され、騒音を防止している。
燃料噴射量や点火時期をコントロールするECU(エンジンコントロールユニット)もレギュレーションで交換できることになっている。しかしながら、エントラントのコストを抑制するため、追加センサーの設置やエンジンの稼動状態を記録・解析するデータロギングシステムの追加装備は禁止されており、新井車のインパネには標準仕様と同じスピードメーターと回転計が配置されている。

新井車は、もちろんハンドリングの良さを大きな武器にしている。縦置き低重心エンジン、シンメトリー配置の4WDシステムというインプレッサの基本シャシーレイアウトが、生まれながらにして高い走りのポテンシャルを持っていることは広く知られている。また、リヤのロアアームが長く、サスペンションストロークが大きく取れるアドバンテージは先代から引き継いでいる。そして、サスペンションのセッティングに関しては、長くインプレッサの成長と共に世界を歩いてきた新井には一日の長がある。グループNのレギュレーションでは、サスペンションについては取り付け方法、形式、数量を変更しなければ、ショックアブソーバーとコイルスプリングの交換はOKなので、新井車の場合は、別タンク式ストラットを選択している。このガス封入式別タンクで伸び側・縮み側の減衰力を微調整するのだが、新井インプレッサではリヤ側のタンクを室内のロールケージに固定し、調整しやすくしている。
サスペンションを正しく機能させるには、シャシーの剛性の高さが求められる。モノコックに高いストレスがかかってねじれているときに、サスペンションの支持点が一緒になって不安定であると、サスペンションユニットが正しく伸縮できないばかりか、タイヤが路面をきちんとグリップできないからだ。ラリー車はこれを防ぐために各所に補強材を取り付けるのだが、こういった付加物が増えれば車重が重くなり、総合的な戦闘力は相対的にダウンしてしまう。車内に張り巡らしたロールケージは、クルーの安全を確保するためだけでなく、モノコックの剛性アップのためにも使われているが、いずれにしても重量増とのバランスが必要だ。この点、新型インプレッサ本来のシャシー剛性の高さは、競技車両向きだといえるだろう。
新井は、「ニュージーランドは高速セクションが多いだけでなく、路面が固い上にかまぼこ状になっており、セオリーどおりにインに入っていくとクルマの挙動が急変することがあります。また、ジャンクションなどで突然路面のミューが変化し、車体が大きく振られることもあります。サスペンションのセッティングはかなり重要ですし、余裕をもって突発事項に対応できることが大事ですね」と語る。
心強い武器であるニューエンジン、シャシー剛性の高さなど、新型インプレッサはさらに「頼もしい」市販車に進化した。そして、世界各国のあらゆるラリーコースを走って鍛え上げられてきた、いわば「公道順応走破性」というべき、SUBARU独自の味付けが新型インプレッサの強みであり、素性だ。
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